2006 年 WRC(世界ラリー選手権)第二戦スウェディッシュ・ラリーの LEG3(三日目)最終日。
昨日までの快走は今日も続き、SS14、15と連続ベスト。ところが SS16、突然エンジンルームからオイルが吹き出し、セミオートマチックシステムとアクティブセンターデフが動作不全に陥る。このステージでベストを奪ったセバスチャン・ローブ(シトロエン)に一気に 14.4 秒にまで迫られるが、残りのループで三連続ベストタイムを叩き出してローブを振り切り、スウェディッシュ・ラリー三年ぶり四度目の勝利をもぎ取った。これでグロンホルムは WRC 通算 20 勝目、さらにフォードも歴代 WRC で 50 勝目、しかも当日はグロンホルムの 38 才の誕生日と、メモリアルづくしのオマケ付き。
しかし今回のグロンホルムは本当に速かった。しかもその速さが非常に安定している。昨年までなら速いながらもいつかどこかでクラッシュするのではないかという不安定さを感じたが、前回のモンテも今回のスウェディッシュも、正に盤石。フォード・フォーカス WR カー 2006スペックという信頼性の高いマシンを得、自信も蘇りかつての「憎らしいほど強いグロンホルム」が帰ってきたと感じる。これであれば今年はローブの独走にストップがかかるかもしれない。たしかにローブは異次元の速さだが、昨年のような独走では見ていても全然面白くない。
注目の三位争いは、ジャンルイジ・ガリとの激烈なバトルを最終 SS で制して、ダニエル・カールソンが見事にポディウムフィニッシュ。イベント直前にランサー WRC05 のドライブが決まり、初めて乗ったマシンでこの成績は立派だ。ほんのわずかな差で敗れたガリも残念だったが、カールソンとの秒差のガチンコ全開バトルには本当にシビれた。今期はこれ以降、乗るマシンの予定も立たない状況だが、なんとかまたランサーに乗って今度は初のポディウムを目指してほしい。
次のラウンドは、極寒のスカンジナビアからサボテン繁る高地グラベルのラリー・メキシコ。
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