日本人の感覚とするとちょっと寂しい気がするが、新年になっても、ここ中国では今ひとつ盛り上がりに欠けるのだった。街を歩いてもレストランやスーパーなどには「恭賀新年」やら「新年快楽」などの幟があちこちに立ってはいるけれど、とりあえず立ててみましたという案配。一応テレビなどを見ていると、それなりにイベントは行われたようだが、単なる西暦の改まりという感じ。新年を祝う、という祝賀ムードはほとんど感じられない。やはり本番は春節(旧暦の正月)に持ち越しのようである。ともあれ、短かった正月休みも終わり、本日より仕事始め。
そんな微妙な新年の始まりに、北京ではとんでもない事件が起こった。北京の大動脈の一つである「東三環路」が大陥没したという。「東三環路」は北京の東側を南北に貫く大きな道路で、その道沿いには国貿中心、嘉里中心、京広中心、盈科中心、亮馬河大廈、発展大廈といった大企業のオフィスが入居する巨大ビルが建ち並ぶビジネス大通りである。そんな大動脈のど真ん中で道が大々的に陥没。いやこれはエライことだ。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0104&f=national_0104_003.shtml
報道によると、汚水管の破裂が原因とのことで、この道路の下で進められている地下鉄工事とも関係しているようだ。陥没したのは北進車線の側道で、幅 5m 長さ 20m の大穴がポッカリと開いているという。ただ不幸中の幸いだったのが陥没したのが真夜中だったこと。このあたりは朝から晩までほぼ一日中慢性的に大渋滞するところで、もしこれが日中だったら大惨事になっていたかもしれない。ちなみに我が家も東三環路沿いなのだが、事故現場は我が家からわずか北に 2km ほど。買い物や語学学校に行くときにはいつも通っているところで、あんな往来の激しいところでばっくりと穴が空いたと思うとぞっとする。
この事故で現場付近の道路は当然ながら通行止め。ただでさえ渋滞するところにメインストリートのど真ん中が通れなくなったものだから、大混乱は必至である。実際、事故発生から一日経過した今朝は元旦休暇明けの仕事始めで、当然ながら市内東部はどこもギチギチの大渋滞。バスもタクシーも自家用車もトラックも何もかもがぴくりとも動かない。この付近に住む同僚は普段はバスを使っているのだが、全く動かない道路にしびれを切らし、このクソ寒い中、地下鉄の駅まで 5km の道のりを決死の覚悟で歩き通したそうだ。会社に着いた開口一番は「死ぬかと思った」。新年早々難儀なことだが、そこまでして来なくても休めばいいじゃん、とは彼の真っ青になった唇を見たらけして言えないのであった。
復旧するまで交通規制は数日間にわたって続くらしい。今週いっぱい北京の街は混雑しそうである。
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