気がつけば年の瀬。北京に来てからも、早くも六ヶ月が経とうとしている。時のたつのは、あまりに早いもんです。
で、時間つながりというわけでもないのだが、今年、2005 年は 7 年ぶりに年末にうるう秒が挿入されるとのこと。具体的には、世界協定時(世界標準時) 2005 年 12 月 31 日 24 時 59 分 59 秒の後に、うるう秒(閏秒; leap second)として 24 時 59 分 60 秒が刻まれる。日本時間は世界標準時 から 9 時間進んでいるので、2006 年 1 月 1 日 8 時 59 分 60 秒が刻まれることになる。ちなみに電話などの時報サービスは 100 秒前の 8 時 58 分 20 秒から 1/100 秒ずつ調整されるので、実際に 60 秒の時報音がすることはないそうである。そうだったんですか。
原子時計を使った超精密な計時法が確立されてもうるう秒がなくならないのは、時計に問題があるのではなくて地球の自転のほうが少しずつ遅くなっているからだ。地球の自転が遅くなる主な原因は月の引力による潮の流れがあるためだが、自転に与える影響は一定ではないので長期の予測はできない。そのため毎年 6 月末と 12 月末の二回、地球の自転周期を精密に観測して、うるう秒を入れるかどうか決めることになっている。
そういえば 2004 年末のスマトラ島沖地震はわずかとはいえ(マイクロ秒オーダ)地球の自転速度に影響を与えるほどの大地震だった。またたとえば氷河期に入ると極地方の氷が増えるぶん赤道直径が小さくなって地球の自転が速くなるはず。月の公転軌道のわずかな変化によっても朝夕力が変わり、それによって地球の自転速度も微妙に変化するはずだ。我々が普段、正確で不変だと思っている時刻という物理量が、実は地球と月の気分に合わせて調整されているというのは、なかなか興味深い。「一日が百時間あったらいいのに」などと思う向きは、月に向かってお願いするとなんとかなるかもしれない。残念ながら成就には何億年もかかるとは思うが。
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