成都から帰ってきて、気がついたら一週間経っていたわけですが。
日に日に気温が下がり、すでに完全に冬模様といった案配の北京。気温が下がって冬が来たということは、それはまた乾燥の季節がやってきたということでもある。そもそもが大陸の内部に位置している北京は、真夏の一時期を除いて通年湿度は低いわけだが、当然ながら冬は一年中で最も乾燥する頃合いである。
これでも私はどちらかというと汗かきで若干脂性気味のほうではある。体内から分泌される油分により、日本にいる頃は冬でも皮膚に適度な湿り気がもたらされ、それほど乾燥に悩むということはなかった。そんな私でも、北京の超乾燥状態の前には無力である。外を少し歩くと、外気にさらされている顔や手の皮膚から油分、水分がどんどん蒸発していくのがわかる。体が乾燥する。皮膚がカピカピガサガサになる。かゆくなる。かゆー。
そして皮膚から服から何から何まで乾燥するこの時期、車の乗り降り、エレベータでボタンを押す、人と握手する、これら全てが恐怖の対象となる。静電気が炸裂するからである。
確かに日本でも冬になると、多かれ少なかれ静電気放電は発生した。パチンとくる感触は不快であった。しかしここ北京のそれは日本の比ではない。正に青い稲妻、尋常ではないブルーの大花火。放電というよりは爆発、ミッキー・ロークの猫パンチというより全盛期のマイク・タイソンの右フック、手鏡太陽目つぶし攻撃というより連邦軍の星一号作戦といった感じか。どんなたとえだ。しかも古いし。
こんな話を中国人の同僚に話したところ、別に気にしたことは無いという。気にしないって、バチバチ火花が飛んで痛くはないのか。マイク・タイソンの右フック級の電撃をくらっても、星一号作戦なみの衝撃を体に受けても、別に平気だというのか。そういえば日本では様々な静電気防止グッズがあるが、中国では未だに見かけたことがない。商魂たくましい中国のこと、この手のグッズはすぐに出回りそうなものだが、売っていないということは需要がないということだろうか。ううむ。
凶暴なパチパチ君が大挙してやって来るこの季節、恐怖におののく日本人の私である。
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