日本から北京に帰ってきて、おおそういえば今週末は Great Britain Rally だったよな、とネットをチェックする。GB はここ三年連続でペター・ソルベルグ(スバル)が勝っているけれど、今期の状況を考えるとまたセバスチャン・ローブ(シトロエン)の独走でソルベルグは置いてけぼりか。いやいやソルベルグにだって意地はあるし、それにもしかしたらマーカス・グロンホルム(プジョー)あたりが頑張ってるかもしれない。ああそういえば今回の GB にはコリン・マクレーが久々にシュコダから出走しているんだった。さすがにトップ争いは無理としても、意外に上位に食い込んでたりして。
などと思いながらいつもの WRC 速報サイトに飛んでみると、そんな呑気な想像を吹き飛ばす、とんでもないことになっていた。
Great Britain Rally 最終日の最終ステージとなったマーガムパークのスペシャルステージで、マルコ・マルティン/マイケル・パーク組が走らせていたプジョー 307WRC が助手席側から立ち木に激しくクラッシュ。ドライバーのマルコ・マルティンは無傷だったが、コ・ドライバーのマイケル・パークが即死した。
しばらくして我に返った。呆然、というのはこういう状態を指すのだろうか。キーボードの上で固まった指。半開きの口。そして見開いた目が、PC のモニタにうつされた一文に釘付けになっていた。Michael Park, co-driver to works Peugeot driver Markko Martin, has died... おい。うそだろ。
読んでいたのが英文サイトだったので、初めは自分の誤訳かと思った。しかし何度も何度も読み返してみても、書いてある意味は変わらない。慌てて WRC 関連の掲示板サイトに行ってみる。すでにこの話題で持ちきりだった。本当なのか。
WRC で、また忌まわしい事故が起きてしまった。モータースポーツは常に死と隣り合わせの危険性を孕んでいると上っ面ではわかっているつもりだったけれど、こうしていざ現実に直面すると、きちんと理解していなかったのだと思い知らされる。マイケル・パークが死んだ。死んでしまった。どちらかというと朴訥で大人しい人が多い WRC 界の中で、珍しく明るいキャラクタで人気者だった。そんな陽気な男が、地元イギリスのラリーで、あっけなく逝ってしまった。
これを書いている今でも信じられない。ただのラリーファンである私がこれだけ衝撃を受けているのに、プジョーを始めとする関係者の喪失感は想像がつかない。そして事故を起こしてしまったマルコ・マルティンは。彼はこの後もラリーを続けてくれるのだろうか。
マイケル・パーク氏のご冥福を心からお祈りします。
参考 URL:
三菱 WRC
SUBARU MOTOR SPORTS
World Rally Championship Official
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