今年、無事に打ち上げが成功した「ひまわり6号」(運輸多目的衛星新1号、MTSAT-1R)による気象観測が順調に始まったことを受けて、7/21 午前、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、静止気象衛星5号(GMS-5)「ひまわり5号」の停波作業を実施。運用終了することを正式発表した。
「ひまわり5号」は 1995 年 3 月に打ち上げられ、後継機に恵まれなかったため設計寿命の 5 年を大きく上回る8年間も気象観測を続けた。機器の老朽化によって全球観測ができなくなってからは気象観測を「ゴーズ9号」(GOES-9)にバトンタッチしたが、その後も気象観測データを配信するための中継衛星として活躍し、気象観測と合わせて設計耐用年数をはるかに超えた 10年 もの間、黙々と働き続けてきた。「スペースデブリ発生防止標準」で要求している軌道離脱の基準、静止軌道の高度上昇距離 273km を確保するため、「ひまわり5 号」は既に最後の力(このときのために残しておいた推進薬)を使ってすでに軌道を離脱しており、7/22 日の 11 時に停波。その長かった役目を終えて永遠の眠りにつく。
長く大事に使われた道具には、いつしか魂が宿るという。10 年もの長い間、孤独な宇宙空間で独り休まず日本や世界のために観測を続けた「ひまわり5 号」にも、きっと魂が芽生えたに違いない。本当に「お疲れさまでした」と言いたい。
* 静止気象衛星5号(GMS-5)「ひまわり5号」の運用終了について(JAXA プレスリリース、7月20日)
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