近所の市場へ行ってみた

今日は近所の市場へ行ってみた。ここは川沿いの道に小さな店が所狭しと並び、食料品から電気製品、衣類、文房具、業務用の食器類、はては自転車やペットまで、日常品のありとあらゆるものが売られている。今日は週末とあってか、地元の人たちが大勢買い物に訪れてなかなかの賑わい。

市場に行く前に近くの飲茶系レストランで飯を喰う。以前同僚から、ここの飲茶は美味しいらしいと聞いていたので試しに入ってみた。飲茶がウリらしいので、基本的には中国南部系列の店のようだが、他にも火鍋や海鮮などのメニューがあって、要するに何でもあるということか。ピータン粥と揚春巻、小龍包、叉焼包、韮餃子、空芯菜炒め物、それとエッグタルトを喰ったがなかなか美味い。点心は一皿三つ入りで、これだけ喰うとお腹いっぱい。ちなみに店に入った時間帯がちょうどお昼のタイムサービスだったので、一皿 3.8 元均一。これと烏龍茶の分を合計して、全部で 35 元ポッキリ。日本円で約 500 円というところか。お客さんが一杯入って大繁盛だったが、そりゃこれだけ安くて美味いなら流行るわけである。 ところでこの店の名前は「九州漁港」という。日本の九州とは関係ないだろうが、なんで九州なんだろう。

「東郊市場」の入り口にある門。この奥に体育館のような建物が何棟も建っており、その中に小さな店がぎっしりと入っている。雰囲気的には秋葉原デパートやアメ横をさらに雑然かつ猥雑にしたような感じか。 画像中央付近に「茶」とある棟が、一棟丸ごとお茶屋が詰まったところ。中国各地や台湾から集められたお茶や茶器を売る店が数十店軒を連ねている。そういえば日用に飲むお茶が欲しかったので適当な店に入ってみた。たまたま入ったところは台湾産のお茶を売る店で、いくつか試飲させてもらって台湾産の烏龍茶と蘇州で作られた碧螺春と呼ばれる茶葉を購入。どちらもすっきりとした味わいで気に入った。

近所のスーパーにももちろん野菜などの生鮮食料品は売っているが、たまに入荷したての時は比較的マシなものの、売れ残りは特に処理をしないためなのか、おしなべて鮮度が今ひとつなのだった。しかしこの市場で売っている野菜や果物は新鮮そのもの。その朝に産地直通で持ってきたものばかりなのか、どれも土が付いていたりして見た目は少しばかり悪いが、しかし色艶良く大変美味しそうである。しかも安い。物にもよるものの、だいたいスーパーで売っている値段の八割から半額というところ。 で、今、ちょうど旬なのだろう、どの果物屋でも一番多く売られているのは桃。ごらんの通り店先に大量の桃が陳列されている。果物屋の前を通りかかると独特の甘い香りで満ちており、桃好きにはたまらないのである。ちなみに「5 元 4 斤」とは、「2kg（1 斤 =500g）で 5 元（約70 円）」という意味。中国って素晴らしい。

電気製品屋の店先に置いてあった像。塗装のはげ具合が良い味出ている。ともあれ、細かいことは説明不要。なんつうか、これぞ中国って感じですか。よくわからんが。

まるで戦後の闇市のような（実際に見たことはないけど）雑多な市場がある一方、川を一歩渡った向こうには綺麗な高層ビルが建ち並び、さらにはいつ終わることにない建築ラッシュが続く。2008 年のオリンピック開催に向けてものすごい勢いで風景が変わりつつある中で、古い物と新しい物がパッチワークのように混じり合った街。それが今の北京なのだろう。この情景も、もしかしたら一年後にはすっかり変わっているのかもしれない。 どうでもいいがこの自転車のおじさん、満面の笑顔を浮かべつつ、市場方向に走り去っていった。今日の晩酌のつまみでも買いに行くのだろうか。