WRC 第七戦キプロス・ラリーは、初日から首位を走るセバスチャン・ローブ(シトロエン)がまたしてもブッちぎりで優勝。
ラリーのスタートからいきなりリードを奪い、その後、首位を譲ったのは SS4 で三菱のジャンルイジ・ガリに先行された一度だけ。しかしそれだって「先頭スタートで攻めるのは危険すぎる」と余裕の計算ずくのペースダウンだった。次のステージであっさりと首位を奪い返すと、ステージごとに二番手以下との差を広げ、初日に早々と優勝争いに決着をつけた。 これでローブは四連勝。二位にはスバルのペター・ソルベルグ、三位にはプジョーのマーカス・グロンホルムが入ったが、ローブとそれ以下の差はあまりにも大きい。
これで今シーズンは七戦五勝。このまま行くと WRC のシーズン最多記録(六勝)どころか、二桁勝利だって十分狙える。いやもう、ほんとに強い。というか速すぎ。圧倒的に強い王者の君臨も、それはそれで素晴らしいことだが、しかし全開バトルでせめぎ合ってこそ WRC の魅力である。ソルベルグでもグロンホルムでも、こうなりゃ誰でもいいから誰かローブを止められるものはいないのか。
ちなみにローブ氏、次のアクロポリス・ラリーに出場する合間を縫って、ルマン 24 時間に出場するそうである。なんというか、余裕っすねローブさん。
それにしても今回のトルコ・ラリーで注目だったのは、フランソワ・デュバルの代わりとして突如助っ人としてクサラのステアリングを握ったカルロス・サインツ大先生だろう。昨年限りで引退した先生、WRCの世界に戻ってくるのもかれこれ七ヶ月ぶりで、しかもラリーの前週にシトロエン・ファクトリーの近郊でわずか一時間余りのテストをこなしただけなのに、終わってみれば堂々の四位フィニッシュである。さすが先生と言うべきだが、それにしたって凄すぎる。さらにラリー前には「デュバルは素晴らしい素質と才能を持ったドライバー。彼のような若い芽を潰すようなことがあってはならない」と若手を気遣う発言も。ドライバーとしてだけでなく、人間的にも素晴らしい人だよなあ。次戦のアクロポリスで助っ人は本当に最後にするそうで、その後はとりあえずはパリ・ダカなどのラリー・レイド競技を続けるそうだけど、是非とも何か別の形でもいいから WRC の世界に戻ってきてもらえないか。待ってますぜ先生。
参考 URL:
三菱 WRC
SUBARU MOTOR SPORTS
World Rally Championship Official
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