私を雇用する会社では、海外の子会社や関連会社に出向する場合、その出向する少し前に一時的に人事部付けに異動することが慣例になっている。ひとまず人事部に籍を置くことで、出向にまつわる費用の精算など経費的な事務手続きを、元々所属していた部署から人事部が引き継ぐことなどが主な目的らしい。しかし出向直前なんて時期は、今までやっていた仕事の引き継ぎやら赴任先で携わる業務の準備やらでてんてこ舞いしており、結局はしばらく元の部署にとどまることになるのが実状である。なので人事部に籍が移ったとはいえ、それはあくまで形式的な意味合いでしかなく、実業務から考えると、それが良いのか悪いのか判断に迷うところではある。
そんなわけで晴れて本日、私もついに人事部付けとなった。とは言え、ご多分に漏れず正に形式のみの異動である。北京に赴任するまでにまだまだやることは山のように残っており、おそらく赴任直前までは今まで通り元の部署でゴチャゴチャやることになるだろう。
ところで今回の異動、実はこれが私にとってサラリーマン生活で初の異動なのだった。入社以来、十六年間。その間、部署の名前は何度か変わり、勤務地も都内から千葉の某所に移ったりしたが、実質的には入社してからずっと同じ部署に所属していたのだ。けして大企業とは言えない私を雇用する会社は従業員数もさほど多くないとは言え、しかしさすがに十六年もの間、一度も異動がないなどとは、これもまたある意味異常ではある。それも私があまりに有能なのか、あるいはとてつもなく無能だったからか。やはり後者ですかそうですか。
ともあれ、あくまで形式的ではあっても異動は異動。そしてこの後すぐには本当の大異動が待っている。いよいよ、という感がある。
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