世界ラリー選手権(WRC)の第五戦は、イタリアのサルディニア島で行われたラリー・サルディニア(SS17、計350.03キロ)。道幅が極端に狭く、ツイスティで滑りやすいグラベル(未舗装路)イベントということで、事前の予想ではペター・ソルベルグ(スバル)、マーカス・グロンホルム(プジョー)、そしてセバスチャン・ローブ(シトロエン)の三つ巴の接戦になるかと思われたが、終わってみればローブのブッちぎりの圧勝でフィニッシュ。これでローブは今季三勝目。ドライバーズ・ポイントでもソルベルグを抜いて暫定トップに躍り出た。
それにしても今回のラリーのポイントはタイヤの選択だった。シトロエンが使用しているミシュランは、新規開発のリピート・ステージ専用タイヤを用意し、これが大当たり。対してスバル、プジョーなどのピレリユーザは、予想外の温暖なコンディションでタイヤがギリギリまで磨耗、各レグが終了して最終サービスに入るころにはどれもタイヤがボロボロになって、まともなグリップも得られなかったらしい。確かにそんな状態では、ただでさえバカ速いローブと同等以上のパフォーマンスで戦えるわけもなく、走れば走るほど差が開いていく始末。三日目が終わる頃には二位以下に一分以上のマージンをひろげ、最後はいわゆる「クルージング・モード」で悠々フィニッシュを許したという案配だ。グロンホルムなんてまだ初日が終わった段階でさえ「もう絶対追いつけない」と白旗を揚げてたもんなあ。
これからキプロス、トルコ、そしてアクロポリスと、「地中海沿岸酷暑系ラリー」が続くわけで、ピレリ・ユーザとしてはなにがしかの対応策を大至急練らんことには、このまま行くとローブの完全独走ということも十分あり得る。個人的にはローブは好きなドライバーなので、勝ち続けるのは一向に構わないが、しかし接戦につぐ接戦、抜きつ抜かれつの火花散る全開アタック合戦が WRC の醍醐味である。誰か一人の独走では面白くも何ともない。そのためにはピレリにはなんとか打開策を打ち出してもらって、是非とも「打倒ローブ、打倒シトロエン」を目指してもらいたいもの。
でもまあしかし、ローブさん、あんた速すぎ。
参考 URL:
Rally Italia Sardinia 2005
三菱 WRC
SUBARU MOTOR SPORTS
World Rally Championship Official
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