世界ラリー選手権(WRC)の第六戦は、地中海に浮かぶリゾートアイランド・キプロスを舞台に行われたキプロス・ラリー。北部の山岳地帯にリピートを含めて計 18 本のステージが設定され、いずれもあのサファリ・ラリーを超えるほどの強烈なラフロードと、35 ℃ を越える酷暑で多くのドライバーが脱落するサバイバルラリーとなった。
まず最初の犠牲者は、プジョーのエース、マーカス・グロンホルム。オープニング・ステージである SS1 でいきなりタイミング・ベルトが切れてストップ。さらにチームメイトのマルコ・マルティンもリアタイヤのバーストでトップ争いから後退。ついで SS1 でトップタイムを叩き出したスバルのエース、ペター・ソルベルグも、SS2 でオーバーヒートに苦戦し、続く SS3 ではクラッチ、SS4 ではタービン、SS6 ではエンジン・マネジメント・システムと相次ぐトラブルにより、大会初日でリタイアの憂き目に。
その他、オーストラリアの期待の新星、クリス・アトキンソン(スバル)もクラッチトラブルでストップ、シトロエンのフランソワ・デュバルもスロットルペダルのトラブルでトップ争いから後退。一時は暫定二位にまで上がったトニー・ガルデマイスター、ロマン・クレスタらフォード勢もオーバーヒートとパンクでトップ争いから戦線離脱し、ハリ・ロバンペッラ、ジル・パニッツィら三菱勢もそれぞれデファレンシャル、エンジンのトラブルで大きく後退。
ほぼ全てのワークス勢が総崩れになる中、ほとんどトラブルらしいトラブルも無しに終始安定した走りで、二位以下に四分近い差をつけてブッちぎり優勝したのは、やはりセバスチャン・ローブ(シトロエン)。これで今季 4 勝目を獲得し、ポイントランキングでも 2 位以下に 11 点のリードを築いた。
ということで、ローブ以外のワークス・ドライバーは全員なんらかのトラブルを抱え、今一つ締まらない結果に終わったキプロス・ラリーであった。ううむ、やはりシトロエン&ローブの最強コンビネーションは強い。強すぎる。というか、他のワークスの連中ももうちょっと頑張ってくれないと、こんな展開では見ていてちっとも面白くない。白熱した全開バトルとはいかないまでも、せめてローブにプレッシャーを与えられる程度の競り合いでもしてくれないものか。
なんだかつまんねえの、と興味が失せ欠けていたラリー終了後に、とんでもないニュースが飛び込んできた。なんとシトロエンは不振のフランソワ・デュバルを解雇し、代わりに次戦のトルコ・ラリーから昨シーズン限りで WRC から引退したカルロス・サインツをワークス・ドライバーとして迎えることを発表した。
なんと。サインツ先生復活!うおー、マジですか。デュバルは残念だが、しかしサインツ先生が戻ってきてくれることの方が数倍嬉しい。いやあ、これで今シーズンも俄然面白くなってきた。
参考 URL:
三菱 WRC
SUBARU MOTOR SPORTS
World Rally Championship Official
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