各種報道によると、バチカンのシスティーナ礼拝堂で 4/18 から行われていたローマ法王選挙(コンクラーベ)の結果、ヨハネ・パウロ二世の次のローマ法王としてドイツ出身のラッツィンガー枢機卿が選ばれたとのこと。第 265 代となる新法王名は「ベネディクト十六世」。「コンクラーベ=根比べ」というぐらいで決定まで何週間もかかるのかと思っていたが、わずか二日目で決定。20 世紀以降では最短記録だとか。
しかし今回の選挙は時代の趨勢やリベラル派の台頭で荒れると見られていただけに、前法王路線を継承すると見られる保守派の最有力者が、しかもこれほど早く選出されるとは意外と言えば意外な結果。携帯電話の禁止はもちろん、盗聴を防止するために厳重な警備がしかれた完全なる密室で、ローマ・カトリックの頂点に立つ人達の間で一体何が行われたのか知るよしもないが、故ヨハネ・パウロ二世が 26 年という長期在位で信者に絶大な人気を誇っていたため、急激な路線変更は無理との判断だろうか。
それにしても新法王の年齢って、御歳 78 歳とかなりの高齢なのだな。決まって早々に大変不謹慎かもしれないが、近いうちにまたコンクラーベになりそうですなあ。と思ったら、本当に選ばれた理由の一つが高齢だとは。
ところでローマ法王関連の有名な文書として「マラキ預言書」というのがある。12 世紀の修道僧だったマラキが未来に法王となる人物 100 名を予言したという文書で、それによると先のヨハネ・パウロ二世に後にもう一人法王が存在し、そしてその次の法王「ローマ人ペテロ」で預言書が終わる、というもの。その「ローマ人ペテロ」在位時に「終末がやってくる」と書かれているのだという。となると今回選出された「ベネディクト十六世」の在位期間が短ければ、それだけ早く「終末」がやってくるわけである。
もっともこのマラキ預言書は、後の研究では 12 世紀ではなくもっと後に作成された真っ赤な偽物であるという説が有力になっており、まあ今風に言えば「トンデモ本」の類であるらしい。まあそうはいってもなんとなく気持ちの悪いような気がしてならない。ベネディクト十六世におかれては御身を大切にしていただいて、「終末」が少しでも遅くなることを祈るばかりである。
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