翻訳家、作家として活躍した矢野徹氏の数々の仕事の中で、個人的に最も印象に残っているのは、やはり何と言ってもハインラインの翻訳だろう。「宇宙の戦士」、「メトセラの子ら」、「獣の数字」、そして「月は無慈悲な夜の女王」。かつて貪るように読んだこれら SF の名著が、今の私(特に精神世界)を形作る血肉となったことは間違いない。したがってそれは、氏の文章のエッセンスが私の中に溶け込んでいる、ということである。ご冥福をお祈りいたします。
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