WRC 第十一戦はラリー・ジャパン。ついに、ついに WRC が日本にやってきた。
で結果は、レグ 1 から安定した速さでファステストタイムを叩き出しまくり、終始トップを維持した SUBARU のエースドライバー、ペター・ソルベルグがこの初の WRC イベントを制覇。これで今季 3 勝目、自身の WRC7 勝目を挙げた。それにしてもソルベルグの走りはお見事。ここ三戦連続でリタイヤ、しかも前回のドイツでは車がペシャンコになるほどの大クラッシュを喫し、選手権ポイント的にもそして精神的にもかなりのダメージを負ったはずなのに、きっちり立ち直ってくる精神力は並じゃない。ちょっと前だったらノー・ポイントが続くとムキになって飛ばしまくり、限界を超えてまたまたクラッシュでリタイヤというパターンばかりだったのに、押し所は全開で攻めつつも引くところは十分マージンをとって様子見する、というクレバーさが備わってきた。さすが去年のチャンピオンは伊達じゃないということか。
二位にはシトロエンのセバスチャン・ローブ。三位はフォードのマルコ・マルティン。終わってみれば、いわゆる「WRC 新世代」の三人が表彰台に上がる結果になったわけだが、それにしてもローブはグラベルでも速い。トップのソルベルグから最終的には一分ばかり遅れをとってしまったものの、きっちり二位に滑り込んで 8 ポイントを獲得。ドライバーズ・ポイント争いの首位をガッチリ守り、シーズン制覇に向けて驀進中というところ。というか、もうこれでほぼ決まりですかね。
また併設で行われたグループ N 部門では、スバルの新井敏弘が見事に優勝。まあ今回は PCWRC もスーパー 1600 も行われず、海外の有力組が参加していないので新井の実力からすれば優勝して当然なのだが、プレッシャーに負けずにしっかり結果を残すのは、さすが数多の修羅場を乗り切ってきたベテランの味ですね。ちなみに新井さんと私は同い年だ。スゲエぜ、おっさん。これからも世界を舞台に暴れ回ってほしい。
しかしこれでスバルはホーム・グラウンドの日本で WRC とともにダブル優勝である。もう出来すぎというかなんというか、日本人のラリー・ファンとしては溜飲の下がる思いだが、願わくばここに三菱の姿があれば言うこと無しだったんだがなあ。無い物ねだりをしてもしょうがないのだけど。
ちなみに主催者発表によると、今回のラリー・ジャパンには実に 21 万 1,500 人もの観客が各 SS やスタート、フィニッシュセレモニーを観戦したという。沿道を含めればもっと多くの人がこのラリーを見たに違いない。また、さすがに F1 ほどではないものの、各メディアにもそれなりの大きさで扱われた。今一つマイナーだったラリーや WRC という自動車競技も、これで少しは知ってもらえることができただろうか。今回のイベントを通して、WRC の迫力や素晴らしさに魅せられたラリーファンが少しでも増えてくれれればいい。
参考URL:
ラリー・ジャパン オフィシャルサイト
三菱 WRC
SUBARU MOTOR SPORTS
World Rally Championship Official
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