世界ラリー選手権(WRC)は舞台を再びヨーロッパに移しての第 5 戦、第 32 回キプロス・ラリー(SS18:326.68km/リエゾン819.74km)が、地中海キプロスのリマソル周辺で行われた。
1970 年からの長いの歴史を誇る同ラリーだが、WRCは今年で 5 回目。タイヤを裂くラフなグラベル(未舗装路)、スタミナを奪う酷暑、山岳コースのアップダウンで、WRC 中トップクラスの過酷さと、最も平均スピードの遅いラリーとして有名。ここから続く「怒濤のグラベル 5 連戦」の緒戦でもある。
結果はマーカス・グロンホルム(プジョー)が、二位のセバスチャン・ローブ(シトロエン)に一分近い差をつけてぶっちぎりで今季初優勝。これでプジョー 307WRC に初勝利をもたらすとともに、自身も昨年のアルゼンチン以来、実に一年ぶりの勝利である。なんだかこの人、あまりに強すぎていつも勝っている印象しかないが、そんなに間があいていたとは。これで総合ドライバーズポイントでも首位に立ち、混戦模様の今期のタイトル争いから頭一つ抜けた印象である。油圧システムやギアボックスに不安のあった 307WRC もようやく安定感が出てきたようだし、さらにこれからしばらくは得意のグラベル・ラリーが続くしで、このまま勢いに乗って一気に突っ走るかもしれん。かつての「最強王者」復活か。
二位のローブ以下は、三位にマルコ・マルティン(フォード)、四位はカルロス・サインツ先生(シトロエン)、五位にハリ・ロバンペラ(プジョー)。前戦ニュージーランドの勝者ペター・ソルベルグ(スバル)は、SS4 のラジエタートラブルによる 9 分のロスが足を引っ張り、六位に入るのが精一杯。そのトラブルさえなければグロンホルムと一位争いをしていたのは間違いないだけに、実に惜しい。まあサインツ先生流に言えば、「これもラリー」ってことですか。
ところでレースの結果以前に、親会社の行く末の方がよっぽど気になる三菱だが、「パニやん」ことジル・パニッツィが総合順位七位付近でなんとか入賞を狙える位置につけていたが、エンジントラブルで惜しくもリタイア。同僚のクリスチャン・ソルベルグもメカニカル・トラブルでリタイヤしてしまい、ラリーを走りきることなく全滅の憂き目に。ランエボ乗りとしてはめげずに何とか頑張ってもらいたいところだが、親会社同様、状況は非常に厳しいですなあ。せめて次はなんとか完走ぐらいはしてもらいたいものだが。
WRC 次戦はギリシャでのアクロポリス・ラリー。オリンピックも近いことだし、地元の盛り上がりは凄そう。
参考URL:
三菱 WRC
SUBARU MOTOR SPORTS
World Rally Championship Official
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