パリで行われた FIA のミーティングにより、暫定となっていたキプロスラリーの最終結果が発表された。ミーティングの結果、プジョーが 307WRC に使用していたウォーターポンプがレギュレーションにしたがったものとは認められず、判定は失格。これにより暫定優勝だったマーカス・グロンホルムと 5 位のハリ・ロバンペッラが失格となり、優勝は 2 位だったシトロエンのセバスチャン・ローブとなり、以下フォードのマルッコ・マルティンが 2 位、シトロエンのカルロス・サインツ先生が 3 位と順次繰り上げされることになった。今回の判定によりローブはキプロスラリーに初優勝。ドライバーズ選手権ランキングもトップとなった。
いやあ、結局そうなったか。プジョーと同時に再検査されていたシトロエンがお咎め無しだったから、もしかしたらプジョーもセーフ判定になるかも、と思っていたが、最終的には失格扱い。厳しいっすね FIA さん。
ちなみにウォーターポンプとは、エンジンの回転を利用し水をくみ上げエンジン、ラジエター、ヒーターユニット等の水を巡回させるもの。WR カーはもちろんのこと、普通の一般車にも当たり前に装着されている部品。WRC のレギュレーションでは、ウォーターポンプはベースとなる市販車(この場合は プジョー307CC)に装着されているものと同一でなければならないが、件のウォーターポンプのインペラーは材質も(市販車:真鍮、307WRC:プラスチック)その直径も(市販車:68.7mm、307WRC:60mm)異なっていたらしい。確かにレギュレーション違反なのはそうなのだろうが、いくつかのサイトで事の経過を読んでみると、単なる事務処理上のミスだけの問題のような気がする。プジョーも「性能は全く変わらない」とコメントしているそうだ。しかしルールはルール。失格裁定はちと厳しいような気もするけれど、これもラリーである。
それにしてもグロンホルムにはお気の毒としか言いようがない。 307WRC での初勝利、しかも今季初優勝、さらに自身も昨年のアルゼンチン以来、約一年ぶりとなる久々の勝利だっただけに、天国から地獄とは正にこのこと。もっとも結果的には失格になってしまったとはいえ、今回のラリーでは 307WRC の戦闘力はきっちり証明できたし、なによりかつての他を寄せ付けない圧倒的なスピードが戻ってきたようだし、是非とも次のアクロポリスからはめげずに頑張ってほしい。
しかしルールとはいえ、一度決まったことが覆るとちょっと興ざめですわなあ。
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