先週より始まった北京出張も残すところあと三日となった。最終日は朝一番の飛行機で帰国するだけだから、実質的には今日と明日の二日のみである。長かったこの出張も、いよいよ終盤という感じか。九泊十日の長旅も、終わってみると早いものですなあ。
ところで新年明けてから十日近くたち、日本ではようやく正月気分も抜けているころあいだろうか。しかし中国では、いわゆる「旧正月」が本当のお正月である。実際、会社などは元旦だけは休日になるものの、大晦日まできっちり仕事をし、新年二日から再び通常業務を開始するのが一般的。中国の人たちは、やはり旧正月を迎えないと本当の新年という気分にならないらしい。
ちなみに今年の旧正月は 1/22 から。「新年」まであと十日ほどだからか、町中のデパートや街路などには新年を祝う幟や、「福」「喜」の文字を大きく印刷したポスターなどがあちこちに並んでいて、正月ムードが盛り上がりつつある。ただ中には大きな木のてっぺんに星の飾りを戴いた、どう見てもクリスマスからの飾りをそのまま新年祝いに転用している省力タイプ(単にものぐさとも言う)もあったりする。こういうところがいかにも大陸的おおらかさというか、細かいことは気にしない中国人気質を垣間見る思いである。
ちなみに北京市内は大変治安が良いとされる。確かに街を歩いてみると、そこかしこに警官の姿が見られ、繁華街にも妙な連中がウロウロしていることもあまりない。四年後のオリンピックに向けてイメージアップの意味もあるのかもしれないが、それでも東京の繁華街なぞよりもよっぽど安心して街を歩くことができる。
そんな治安の良い北京だが、旧正月を迎えるこの時期は一年で最も治安の悪い期間だそうである。それは地方から出稼ぎに来ている人達が、旧正月で故郷に帰省しようにも旅費もお土産を買う金もなく、仕方がないので強盗やスリなどで手っ取り早く稼ぐから、だとのこと。まあ本当の話かどうかちょっと怪しい気がするが、やはり特に夜間などは出来るだけ一人歩きをしない方がいいそうだ。危うきに近寄らずとは、元々この国から伝わった言葉だし。
今日も日中は 0℃ 程度までしか気温が上がらない。やはり寒い。
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