■リチャード・バーンズ、2004年シーズンを断念
■Burns to miss 2004 season
今期プジョーに所属し、来期はスバルに移籍することが決定していた WRC ドライバーのリチャード・バーンズが、脳腫瘍の一種・星状細胞腫(アストロチトーム)と診断され、放射線治療を受けることになったと発表した。
今シーズンのドライバーズタイトルで優勝圏内にいたバーンズは、最終戦のGB ラリー会場への向かう車を運転中、突如気絶し入院。そのまま最終戦を欠場し、医療機関で各種検査を受けていた。当初の診断では脳に異常は無いとされていたが、なんとも残念な診断が下されてしまった。もうほんとに、なんということだ。なんでそうなるんだ。私にはそれしか言えない。
ちなみに星状細胞腫は、中枢神経に影響を与える脳の腫瘍の一種と定義されている。この腫瘍によって、瞬時の判断が鈍ったり、状況認識が悪化、あるいは失神する場合もあるらしい。バーンズが車を運転中に突如気絶してしまったのは、正にこうした症状のうちの一つだったようだ。しかしこのような事が頻発することは、ラリードライバーにとって致命的である。そりゃそうだ。WR カーを全開でドライブ中に失神でもしてしまった日には、自分自身や隣のコドラはもちろん、沿道の観客にも被害が及ぶ危険性がある。
ただ幸いなことに、バーンズの腫瘍は比較的軽度なものと診断されているらしい。しかし快復までには少なくとも1年はかかるという。放射線治療は4~6週間続く予定で、当分の間バーンズはいかなる種類のクルマの運転を止められているそうだ。
それにしても、パリダカでの篠塚建次郎の大クラッシュに始まり、ポッサム・ボーンと加藤大治郎の事故死と、色々と暗いニュースが多かった今年のモータースポーツ界で、最後には素晴らしい WRC 最終戦を見る事が出来て非常に興奮したのだが、WRC シーズンが終わった最後の最後に、まさかバーンズまでもがこんなことになるとはなあ。いったい今年のモータースポーツ界はどうなっているのだろう。
しかしこうなると、来期移籍することになっていたスバルのドライバーのシートがいったいどうなるのか、である。現在候補の一人として、シトロエンにリストラされ来期の WRC 参戦を断念していたコリン・マクレーの名前が上がってきているらしい。他にも、来期の参戦が疑問視されているフォードからマルコ・マルティンが移籍、あるいはトミ・マキネンの引退撤回などが噂されている。だが、元々マクレーはスバルに所属していたわけだし(しかもドライバーズチャンピオンにもなった)、人選としてはうってつけだろうか。
それにしてもバーンズも一年お休みか。健康上の理由だから仕方がないこととはいえ、非常に残念である。ただし不幸中の幸いか、治療の成功確率はかなり高いそうで、それだけは一安心だ。一年間ゆっくり治療に専念して、2005 年シーズンにはまたラリーの世界に戻ってきてほしい。
頑張れ、バーンズ。
リチャード・バーンズ 公式 web サイト:
http://www.richardburns.com/profile.cfm
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