東欧ポーランドを代表する、というより二十世紀の SF 界を代表する巨匠スタニスワフ・レム氏がポーランドの病院で息を引き取ったそうだ。享年84歳。死因は心不全とのこと(ITmedia News の記事)。
スタニスワフ・レムと言えば、あまりに強烈だった「砂漠の惑星」や、ホラー風の不思議な SF 作品の「捜査」も捨てがたいが、個人的にも世間的にも NO.1 はやはり「ソラリスの陽のもとに」だろう。レムが描く異星生命体は、よくある人型やその延長線のありきたりなものではなく本当の意味での異質で、正にエイリアンというもの。特にこの「ソラリスの陽のもとに」での「海そのものが意識を持った異星体」というプロットは、初めて読んだときに激しいカルチャーショックをおぼえたものだ。また小説もさることながら、その世界を見事に(そして難解に)映像化した映画もインパクトはすさまじかった。最近「ER のロス先生」ことジョージ・クルーニーが主演でリメイクされたそうなので、新旧ともに久々に見てみようかと思う。