尖閣諸島で起きた一連の事件で、どうも最近、キナ臭い。
日本人の側(というより国際法上)からすれば、どう考えても尖閣諸島は日本の領土であり、そもそもがあの島周辺で「領土問題」というものは存在しない。ところが中国政府の考えは異なるようで、あくまでも強硬に「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国の領土」というのが基本スタンスである。その根拠として、つまるところ釣魚島は古来、中国の領土だったからという、言わせていただければ甚だ薄弱な論拠な気がするのだが、その論理でいけば中国本土のほとんどはモンゴルのものなんじゃないのか。
それはともかく、中国の新聞、テレビを見る限り、中国政府は強硬な態度を貫いている。あの海域には中東を凌ぐほどの油田と、埋蔵量豊富なガス田が存在すると言われており、エネルギー問題が文字通り国としての死活問題である中国としては決して譲ることのできない「領土」であると思われる。しかしそれを置いておいたとしても、ここで少しでも柔和な態度を取った日には人民の怒りの矛先が一気に中国共産党に向かってくる恐れがある。いろいろな意味で最近非常にヤバイ中国共産党としては、決して後には引けない立場にあるのであろう。冗談ではなく、ここでヘタを打つと三回目の天安門になるかもしれんもんなあ。
そんな中国共産党の強硬姿勢に呼応するように、中国国内のネットでの論調も激しさを増している。曰く、釣魚島に軍艦を派遣しろ、曰く、日本に宣戦布告しろ、曰く、東京に核攻撃で報復せよ。本当にそんなことをやったら世界的にも願ったりかなったりというか、単に中国が自爆して終わるだけのように思われるのだが、そこまで行かなくとも少なくとも現在、在中国の日本人に対する危険度は急激に上昇しているように感じる。
今月 18 日は満州事変の発端となった柳条湖事件から 79 年を迎える。今日、会社で中国人同僚に教えてもらったのだが、ネットでは柳条湖事件と今回の騒動のドサクサで、18 日に北京で大がかりなデモを行う呼びかけがされているらしい。大勢で徒党を組み、日本大使館に抗議デモを決行しようというのである。「危ないから 18 日は外に出ない方が良いですよ」と同僚は言う。まあホントにやるのかどうかは知らないけれど、君子危うきに近寄らず、か。
ちなみに日本大使館は地下鉄の建国門駅からほど近い。中国人の皆さん、デモに参加される際は日本の ODA で作られた地下鉄一号線に乗って出かけると大変便利ですぜ。
今日になって在中国日本大使館の Web サイトに注意喚起が掲載された。北京の日本人学校は 18 日に運動会を行う予定だったそうだが、安全に配慮して延期となった。北京市内の日本料理店は、夜間の営業を取りやめたところが出始めているとも聞いた(本当ですかね>北京在住者)。実にキナ臭い。この先一体どうなるのか全く分からないが、なにせ自分と自分の家族を守れるのは、最終的には自分だけである。せいぜい注意しなくては。
いやしかしさ、もうやだ、こんな国。