なにやら最近は誰かが死んだ時にしか更新しなくなった気がしないでもありませんが。
「ハード SF」と呼ばれる分野で活躍してきた作家、ジェイムズ・P・ホーガン氏が、 7 月 12 日アイルランドの自宅で逝去。1941 年 6 月 27 日生まれで、69 歳だったそうである。
ホーガン作品の中で最も好きなのは、なんといってもいわゆる「ガニメアン・シリーズ」だろう。「星を継ぐもの」から始まり、「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」(そしてその連作から 10 年おいて発表された「内なる宇宙」)。たしか最初に読んだのは高校生の頃だった(か大学一年だったかちょっとはっきりせず)。いったいこのシリーズにどれだけ夢中になって何度読み返したか。ちなみに北京にももちろん持ってきていて、つい最近また読み返し終わったところだった。虫の知らせ? 単なる偶然だろうけれど。
ホーガンの描く世界は基本的にハード SF だから、どうしてもテクノロジ用語が頻出したり、世界観を理解するにはある程度の科学的概念が必要になる。が、一度入り込めたら、あとは一気読み。単なるテクノロジとサイエンス一辺倒ではない、エンタテイメントとアドベンチャをたっぷり堪能出来るのがホーガン作品の真骨頂である。「造物主の掟」と「造物主の選択」のシリーズものなんて正にそれ。あれほどまでにテクノロジとエンタテイメントがほどよくブレンドされた傑作を他に私はしらない。他にも「未来の二つの顔」「断絶への後悔」「プロメテウス・オペレーション」「創世記機械」「量子宇宙干渉機」あたりも何度読んでも楽しめる。
そういえばと思い wikipedia をチェックしてみたら、「揺籃の星」につづく「黎明の星」がまだ未読だった。ちょっと前に文庫化されているはずなので、夏休みに日本に帰った時にでも本屋をのぞいてみよう。このシリーズがホーガンの遺作なんですかね。
ともあれ、ありがとうホーガン。あなたのおかげで私は読書の楽しさを知り、そしてこんなに立派な(なのか) SF 野郎になることが出来ました。「黎明の星」を読み終えたら、これで何度目かわからないけれど、「ガニメアン・シリーズ」をじっくり読み返すことにします。タリー・ホウ! ああ、ゾラック萌え。萌えとか言うな。