と、とりあえず生存報告ですが、これだけでは何なんで、最近聞いた CD の感想なぞでお茶を濁してみたり。
英国産新世代メタルバンド、Bullet For My Valentine の 3rd アルバム。デビュー当時は真性のメタルと言うよりエモ系やスクリーモ系の成分が多かったような気がして、個人的には「悪くはないがちょっと微妙」というのが正直なところであった。今作もエッジの効いたギターリフやファストかつアグレッシヴなリズム、咆哮系ヴォーカルはデビュー当時から変わらずも、しかしよりクリーンヴォーカルのパートの割合が増え、キャッチーな歌メロと相まって、メタル度が大きく上昇した印象。誤解を恐れず言えば、30 年若返って猛烈にアグレッションを増した DOKKEN みたいと言うか、ブリティッシュと言うよりアメリカンな雰囲気さえ漂う作風。全体的に今作ではより普遍的なメタルに接近しており、そう言う意味では私のようなおっさんメタルヘッドにも十分理解しやすい音楽性の楽曲が並ぶ。前作は全米チャート 4 位を記録するほどのヒットとなったそうだが、今作もおそらくそれ以上に売れるのでは。こういう若いバンドが良作を作り、そしてそれが正当に評価されるという循環があれば、メタルはまだまだ大丈夫だ、と楽観視したくなるアルバム。
80 年代にいわゆる LA メタルの旗手として世界を席巻した RATT の再結成第二弾(なのか?)アルバム。ネットでは、新作は「RATT があの頃から更に強力になって帰ってくる」と事前に噂になっていたが、しかし過去この手の再結成でさんざん裏切られた経験から、まあ話三分の一ぐらいよね、と高をくくっていた私。だが実際聞いてみると、いやこれが正に評判に偽りなしの充実の作品である。大ヒットアルバム「Out Of Celler」を彷彿とさせるミッドテンポ曲から、激しく疾走するファストナンバー、きらびやかなパワーバラッドまで、RATT がずっと続いていたとしたらきっと今こういう音楽をやっているだろうと想像できる曲の数々に思わず和む。また元 Quiet Riot のカルロス・カバーゾが味のあるギターを聴かせるのが嬉しいが、何と言っても素晴らしいのはウォーレン・デ・マルティニのギタープレイである。RATT 解散後に WHITESNAKE に在籍したあとはレイドバックしたブルーズを細々と演奏していたそうだが、今作ではかつてを彷彿させるフラッシーかつ派手なフレーズを随所で連発。コーラスとディレイを極力廃した音色もやたらと生々しく、ギターヒーローとして再評価されること間違いなしと思われる。スティーヴン・パーシーのヘタウマ Vo. は相変わらずだが、まあそれは昔と同じだし気にはならず。いやしかし曲良し、ギター良しの本作、正直まいりました。