北京から渡航先のニューアークまでは十四時間弱のフライト。中国とアメリカ東部では十二時間の時差があるため、北京を日曜日の夕方に飛んで、着いた時には再び日曜日の夕方だ。飛行機の中で適当に寝るかどうしようか迷ったが、考えれば仕事か飲んでかで徹夜するのと時間的には同等である。いっそのことひたすら起きて、着いてからホテルで死んだように寝ようと決める。
搭乗した飛行機はコンチネンタル航空。ネットで調べるとサービス的にはあまりよろしくないとの評判でどうかとおもったが、機内映画がオンデマンドで 300 本以上用意されていたのには驚いた。こうなったら良い機会だから映画でも見倒すか、とラインナップを見てみると、最新封切りもののほかに「釣りバカ日誌」や「世界の中心で愛を叫ぶ」など日本映画もいくつかそろっている。結局「電車男」にはじまり「マトリックス」三部作を全部、さらには「キル・ビル」の五本を延々と見る。まあまあいい暇つぶしと言えばそうだが、十数時間同じ姿勢で目前の画面を見続けていると、さすがにケツと言わず腰と言わず全身が痛い。何かの罰ゲームかこれは。
今回の出張は北京から私一人の他に、日本の本社からも一人やってくることになっている。ニューアーク空港で無事に合流し、アメリカ側の会社の出迎えの人の車でホテルへ。そういえば今回の出張の出先は、正確に言えばニューヨークではなくニュージャージーであった。出向く会社も泊まるホテルも、マンハッタンから車で 50 分ほど北上したニュージャージー州にある。ここまで来ると大都会ニューヨークの面影は全くなく、自然溢れる郊外の田舎町の雰囲気。車も少なく、緑が多くてのんびりとした面持ちで、ノリ的にはオーストラリアの地方町に限りなく近い。これで森の中からカンガルーでも出てくれば完璧だが、アメリカには有袋類はいませんか。
ということで現在、現地時間の日曜日夜十時半。北京を発ってからほとんど寝ていないのに、いまだに全然眠くないのはどうしてか。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。