Gibson がかねてからアナウンスしていた、自動チューニング機能つきギター、その名も「Robot Guitar」がとうとう発売になるとのこと。発売日は、まず限定版が一部地域で 12 月 7 日から、通常版は来年の後半の予定。
このギターは、ブルーサンバーストのボディが鮮やかながら一見何の変哲もないレスポールに見えるが、搭載されているデバイスはかなり強烈である。ドイツ Tronical 社の「Powertune」システムを搭載。6 種用意されたチューニングの中からノブを回して選び、弦を弾くと専用のピックアップが弦の振動を拾う。ヘッド部にマウントされたモータがペグを回して希望のチューニングに自動的に合わせてくれるというもの。一般的なレギュラーチューニングの他に、Drop D やオープン E、Gなどがデフォルトで設定されているので、ノブを回すだけでギターが勝手にそれらのチューニングに合わせてくれる。また、自分でチューニングを登録することもできるので、ポール・ギルバートやアラン・ホールズワースの変態チューニング曲をコピーするのにも便利。まあこの達人二人の場合、チューニングが出来たからって常人にはほとんどコピー不可能ですけど。
ギターという楽器は、単音だけでなく和音も奏でることが出来、さらにはフレットを移動することで移調も容易と、機能的にはとても優れた楽器なのだが、基本的に平均律でチューニングされることを前提にしているのに指板にフレットもあるという、調律学的(そんなのがあるのかどうか知らないが)には特殊な楽器でもある。そのため厳密にチューニングを合わせようとすると、実は非常にシビアだったりする。というよりも構造上、厳密な意味での「完璧なチューニング」というものは存在しない。
私もかつてどうしてもチューニングが合わないことに悩み、どうしてそうなるのか考えたりいろいろ試行錯誤してみたものだが、平均律と純正律の違い、そしてギターという構造上の特徴を理解することで、まあ多少チューニングが合わないところでビブラートやチョーキングでごまかせばいいじゃんか、と思い至るようになった。
話がそれたが、Robot Guitar である。「ジャラーン」と一発流すだけで勝手にチューニングしてくれるのは、やはり非常に便利。モータでペグを回し、チューニングしていく過程もなかなかサイバーな感じでそそられるではないですか。日本での発売はまだもう少し先だそうだが、そのうち楽器屋で試奏してみたいものである。
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