もうすぐめでたく結婚するという中国人同僚を話をしていたら、ペットの話題になった。我が家では昨年から猫を飼いだしたのだ、というと是非写真を見せてくれと言う。PC に入っている我が愛猫フェイツイ氏の写真を見せると、いやこの猫えらいシマシマだなあ体中ストライプだらけですげえなあと感嘆する。感心するところはそこかよ、と思うのだが、中国ではまだアメリカン・ショート・ヘアーという猫種は珍しいらしい。
この中国人同僚は結婚を機に何かペットを飼いたいという。出来れば犬が良いそうだ。実は子供の頃に何度か犬を飼ったことがあるそうで、大人になって結婚したらまた飼いたいと常々考えていたという。一度犬なり猫なりと暮らしたら、彼ら彼女らのいない生活は異常に寂しくなるだろう。その気持ち、今なら私も良くわかる。
その後は北京の犬事情について話したわけだが、実は北京にもちょっとしたペットブームが訪れている。北京では、犬を飼う人が増えている。特に若い世代に多いようだ。犬、特に純血種の飼い主となることが、一種のステイタスととらえられている節がある。
たしか日本でもそうだったと思うのだが、中国でも犬を飼うには役所への届け出が必要である。しかし日本と比べて手続きが煩雑なのと(中国のお役所手続きが異常に面倒なのは犬に限ったことではないが)、毎年結構な金額の税金を払わなければならないのとで、ほとんどの飼い主は役所に届けていないらしい。農村地方の「黒子供(戸籍のない子供)」ならぬ「黒犬」である。以前どこかで北京市のペットの犬の統計数を読んだことがあるが、当然ながらその数字は全く当てにならない。
話は飛ぶが、中国では犬に限らず人口、経済、医療などその他諸々「統計」と名のつくものは全然信用できないので注意が必要である。これが故意に数字を操作しているのか、それともただ単にいい加減なだけなのか(どちらかというと後者だと思われるが)は分からない。しかし、よく日本のメディアなどにも中国に関する様々な統計数字が公表されたりするが、眉に思いっきり唾して読まないと本質を見誤ることになる。なんて大きなお世話ですかそうですか。
話を犬に戻す。ということで犬は飼いたし、しかし金はもったいなし、となると、人々はどうやって犬を手に入れるのか。北京にも正規の(と呼ぶにはかなり微妙だが)ペットショップはいくつもある。しかしそこで購入するのは一般的ではない。だいたいショップで売られている犬は、値段がかなり高い。ほとんど日本と大差ない値段である。
そこで登場するのが個人売買である。犬は金になる、というわけで、個人で繁殖に手を出している人がたくさんいるらしい。アパートの小さな部屋を借り切って、そこで犬に赤ちゃんをわんさか産ませて個人向けに売っているという。そこに訪れて犬を買ってもいいが、売る側、飼う側がもっと手っ取り早く商売を成立させるために、北京の郊外に「犬のフリーマーケット」なるものが存在する。私はまだ行ったことがないが、下見のために試しに行ってみたという中国人同僚によると、広大な広場にもの凄い数のバイヤーと犬、それに犬を買いに来た人々が大勢集まり、それはそれは盛況だという。
なんだか確かに凄そうである。私も機会があれば是非一度行ってみたいものだ。狂犬病が怖いので若干躊躇する気持ちがないではないが(中国では狂犬病がまだ存在し、毎年何万人もの死者が出ている)、狂犬病の予防接種は受けてるし大丈夫か。
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