中国南西部の重慶で繰り広げられている都市開発と立ち退きにまつわる事件、というより珍事。
重慶の開発業者が、立ち退きを拒む住人の家のまわりを 9m ほど掘り下げ、陸の孤島にしてしまった。重慶 Zhengsheng 不動産会社はこの地区を開発しマンションやショッピングモールをつくろうとしていたが、この家の持ち主が 約 3 億円相当の補償金を出さなければ移転しないと主張していた。「家の持ち主が移転しようとしないので、開発会社が強制的に移転させるためまわりを全部掘ってしまった」
「2000万元(約 3 億円)の補償金で納得するか、あるいはいつまでもあの家から出られずにいるかのどちらかだ」と Weilian 不動産会社の社員は語った。
「新しい建物作るんだから立ち退け」→「立ち退き料払え」→「そんな金払えるか」→「じゃ居座るもんね」→「じゃ周りを掘っちゃうもんね」という双方のやりとりがあったかどうかは知らないが、結果としてなんだかとんでもないことになった例。「外堀を埋める」という言葉は聞いたことがあるけど、「外堀を思いっくそ掘る」ってのもなかなか豪快な兵法といいますか。まあ何というか、言うことを聞かない奴は意地でも聞かせようとし、また権利を主張する奴はとことん主張するという中国人気質を垣間見る思いではある。しかし立ち退き料に 3 億円を請求する方も因業だが、だからって家の周りをガッポリ掘ってしまう業者も強者というか。こんなこと日本でやったら、文字通り洒落になりませんけど。
しかしこれ、どうやって家の中に入るんだ、とか、電気や水道はどうなってるだとか、素朴な疑問は浮かぶわけだが、当事者にとってはそんな些細なことはどうでもいいのか。
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