西日本新聞の記事によると、北京市は万里の長城観光スポットのうち、もっとも有名で一般的な「八達嶺長城」のバリアフリー化を進め、2007 年末までに障害者用のエスカレータを設置する計画を明らかにしたらしい。今回の計画は 2008 年 8 月の北京五輪に向けた環境整備の一環だとのこと。
中国を代表する世界遺産・万里の長城のうち、八達嶺長城は北京市中心部の北西約 70km に位置する。1981 年には本格的観光開発を目指す「八達嶺特別区」に指定され、高速道路や駐車場、街並みなどの整備が進められて、北京郊外の万里の長城としては最も有名な観光スポットである。現在は年間 600 万人以上の観光客が訪れているそうで、いつ行ってももの凄い人出ではある。
八達嶺長城には「男坂」と「女坂」と呼ばれる二つの登り口がある。「女坂」よりも「男坂」の方が勾配が険しく、登りやすさからか、どちらかというと「女坂」の方が観光客は多いような印象がある。とは言っても険しい山地に無理矢理作ったのが万里の長城である。比較的傾斜が緩い「女坂」でも登り切るにはそれなりの体力が必要である。実際、私も何度も登ったことはあるが、これが結構大変だ。しかも涼しい春や秋ならともかく、真夏のクソ暑い最中では地獄のような厳しさになる。足腰の弱ったお年寄りや、体力にあまり自信のない人には「女坂」でも相当辛かろうと思う。その辺りを含め、更にオリンピックを前にして、更なる観光客誘致を狙ったのが今回の計画だろうか。
確かに万里の長城をバリアフリー化することは結構なことかもしれない。だが北京に住む者としては、市内の歩道のあちこちにボコボコ空いた穴を塞ぐとか、慢性的な交通渋滞をどうにかして欲しいとか、時に死にそうになるほど劣悪な大気汚染を解決する方法を考えろ、などなど、観光地のバリアフリー化よりも先に我々のバリアフリー化を要求したいわけである。
まあ外面は優しく、人民には厳しいこの国のこと。人民のバリアフリー化は当分先の話なんですかね。
コメントのテスト。
どうですかね。
投稿情報: ハマダ | 2006年5 月15日 (月) 03:03