現在スーパー 1600 カテゴリにスイフトを送り出し、JWRC カテゴリで大活躍している日本の自動車メーカ、スズキだが、2007 年より WRC に参戦するのではという噂がチラホラとのぼっていた昨今。ついにその新たなラリーベースモデルとなるSX4の WRC コンセプトが発表された。
ただし今回の発表ではあくまでも「スズキ SX4 をレース仕様に架装した試作車」という段階なので、スペックなどは公開されていない。そのためこのマシンが WR カーなのか、あるいは来年からカテゴリが新設される予定の S2000 ベースなのかは現段階では不明。
しかしこの発表された写真を見るだけでも、ボンネットに大きく開けられたエアインレットや、フォード・フォーカス RS WRC やシュコダ・ファビア WRC によく似た形状のリヤウイングが装備されていることから、どう見ても WR カーである。フロントバンパーの形状がそっけ無さ過ぎるあたり、まだ空力面の煮詰めは完全ではないようではあるけれど、全体的なマシン開発はそれなりに進んでいると考えられるほど完成度は高そう。ブリスターフェンダーを取っつけてもう少しワイドトレッド化すれば、さらに迫力が増しそうだ。
プジョー、シュコダ、シトロエン、そして三菱が WRC からワークスとしての参戦を撤退し、その存続すら疑問視されてつつあった WRC に、これで本当にスズキが参戦してくれれば俄然活気づくことは間違いない。来年はシトロエンも帰ってくることが決定しているし、スズキの参戦に刺激されてシュコダ、それに三菱もマニュファクチャラー 2 ででもいいから参戦することになれば、かつての勢いを一気に取り戻すことも可能だ。なによりワークスが増えれば、実力があるのに冷や飯を喰わされているドライバー達が戦う場所を与えることが出来る。ハリ・ロバンペラやジル・パニッツィらベテラン勢や、ジャンルイジ・ガリ、ダニエル・カールソンら中堅どころが未だにレギュラーシートが無いなんて、もったいなさ過ぎるもんなあ。現在スイフトを駆って JWRC で活躍中の P-G・アンダーソンが、この SX4 WRC でかっ飛ぶところも是非見てみたいし。
なにはともあれ、まずはマシンの全貌が明らかになる(らしい)今月末開催のジュネーブモーターショーが待ち遠しい。スズキは本気だ。
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