ここのところの北京は急速に寒くなってきた。つい二週間ほど前までならなんとか半袖で外出も出来ていたのに、日中でも上着が恋しくなる。朝晩はさらにコートが欲しくなるほどに冷え込む。何度確認しても、やっぱり寒い。ついに冬が来てしまった。認めたくはないが、潔く認めなければならん。
北京は、秋が最もいい季節だといわれる。まだここで暮らして三ヶ月ちょっとだが、出張では四季の全てを体験したことがある経験からすると、そんなことは言われなくてもわかる。夏はとにかくめちゃめちゃ暑く、春は黄砂で死にそうになる。そしてこれからやって来ようとしている冬は、これまためちゃめちゃ寒い。秋しかないわけである、いい季節は。
その秋が終った。終わってしまった。実に短命であった。体感的に、秋はせいぜい二週間か三週間くらいしかなかったように思う。そして今日の天気予報によると、今夜の最低気温は「3℃」である。ほんとかよ。
毎週二回、会社が終わった後に中国語教室に通っているのだが、家からそれなりに距離があるため、いつもタクシーを利用している。教室がはけた午後九時、外に出ると冷気が一気に体を包み込む。今日は寒い。マジで寒い。早く家に帰ろうと大通りに出て流しのタクシーを捕まえ、行き先を告げて助手席に乗り込む(中国のタクシーは助手席に乗るのが通例だ)。だがそのタクシーの運ちゃん、運転手側の窓が全開である。こちらがわの窓をきっちり閉めても、冷気は容赦なく車内に侵入し、そしてその流れは助手席である私を直撃する。寒い。寒いんだって。寒いっつってんだろ。鼻歌交じりで三環路を爆走する運ちゃん、あんたは平気でも、あんたの客は体の芯から凍えていたのだよ。
ついに冬が来てしまった。しかし寒さはまだまだ序の口である。本格的に寒くなると、平気で -20℃ くらいにまで冷え込むらしい。温暖な日本の関東地方で生まれ育ったこの体が、はたしてそんな寒さに順応できるのだろうか。考えるだけで寒くてたまらなくなる。
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