本日は終戦記念日。
中国にやってきた日本人として、そしてこの時期のこととして、望むと望まざるとやはり思うのは先の戦争のことである。なにせこちらでテレビをつければ毎日のように抗日映画が繰り返し流され、新聞には連日大見出しで戦勝 60 周年を報じる記事が踊る。この手の話題は今までも興味がなかったわけではないが、しかし日本にいたとすれば絶対にわからないこの空気感。やはりこの地に来てみると痛いほど肌に感じるものはある。
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ネットを徘徊していたら、小泉首相が“終戦六十周年”として閣議決定した「首相談話」が今日、発表されたことを知る。となれば中国側の動きはどうかとさらにネットをうろうろしてみると、これを受けて新華社の web には「小泉氏が日本“敗戦”60 周年を記念し“誠意ある謝意”を表明した」と題するニュース速報が掲載されているのを見つけた。これを読むかぎりは一応、好意的に受け止められているように思える。もっとも関連記事として「靖国神社の資金の内幕」とか「戦後 60 年、日本外交の大敗退」とかいう、いかにもな記事見出しが並んでいるわけだが。
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そういえば夏休み前に、私を雇用する北京の会社に日本大使館や北京公安から、8 月 15 日前後は日本大使館や日系スーパー、日系レストランなどには極力近づかない旨の「お達し」が来た。4 月に巻き起こった反日デモからこれまで、中国政府は事態沈静化に躍起になっているようで、ネット上で呼びかけられている此度の「記念日」の反日活動に対してもかなり強硬な姿勢を取っている。なので、多分 4 月のようなことにはならないだろうとは思ってはいるが、一応は警戒することにこしたことなし、ということであろう。
今、ネットなどを見る限りでは香港では小規模ながら反日デモも発生したようだが、それ以外に中国国内では目立ったデモの動きなどはないようだ。先ほど腹が減ったので日式ラーメン屋にラーメンを喰いに行ったけれど、当然ながら特に何もない。日本人バレバレの片言中国語でオーダーしたにもかかわらず、叩き出されるとか罵声を浴びるとかラーメンにゴキブリを入れられるということももちろんなし。帰り際も店員の小姐ににこやかに「謝謝」と言われた。
とりあえず「勝利記念日」の北京はいたって平和である。
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