世界ラリー選手権(WRC)第十三戦となる、ラリー・イタリア・サルディニア(SS19:384.23km/リエゾン844.69km)が、イタリア・サルディニア島で行われた。従来、イタリアはサンレモで行われるターマック(舗装路)ラリーだったが、今年からサルディニア島のグラベル(未舗装路)に変更。今回は三日間ともに快晴となり、ホコリと砂が舞いまくる乾いたラリーになったようだ。
結果は、ラリー・ジャパン、ラリー・グレートブリテンと二連勝中のペター・ソルベルグ(スバル)が、二位に二分以上の差をつけてのブッちぎりで優勝。なにしろ全 19SS 中 13 の SS でトップタイムをたたき出すという飛ばしっぷりだから、そりゃブッちぎりにもなろうというものだ。二位にはセバスチャン・ローブ(シトロエン)。ラリーが始まる前から無理はしないと公言していたとおり、冷静なレース運びで二位に滑り込み、きっちりポイントを稼ぐあたりはさすが「アイス・クール(氷のように冷静)」ですなあ。続いて三位にはカルロス・サインツ(シトロエン)。マーカス・グロンホルム(プジョー)とマルコ・マルティン(フォード)が相次いで失速、リタイヤしたために転がり込んで来た感もあるポディウム(表彰台)フィニッシュではあるが、コンスタントにタイムを出す走りは正に燻し銀。不惑を越え、来期の去就が取りざたされているけれど、まだまだ十分若手と競える力は残っている。
ということで、これでソルベルグが三戦連続優勝と怒濤の快進撃を続ける結果になったが、しかし依然としてポイントランキングトップのローブとの差は大きい。なにせこの三戦、二位には全てローブが入っているため、ソルベルグが勝ってもその差はわずかしか縮まらない。三つ勝ったのに 6 ポイントしか縮まらないのはどういうこった!というソルベルグのボヤキが聞こえてきそうだが、勝てないと判るや無理せずポイント稼ぎに徹することが出来るところがローブの強さか。毎回二位に入るのだって十分速いわけだが。
計算上、ローブはあと 5 ポイント獲得すれば、今シーズンのドライバーズ・チャンピオンが決定する。5 ポイントということは、どこかで四位フィニッシュすればいいわけである。ローブの現在の実力からすれば、造作もないことに思える。今シーズンも残りはあと三戦。しかも最終戦のオーストラリアを除いた二戦はローブの得意なターマックである。必死の追い上げをみせるソルベルグには悪いが、なんだかもう決まったも同然とも言えなくもない。ただ最後まで何が起こるのかわからないのがラリーのおもしろさだ。ローブもソルベルグも好きなのでどちらにも勝ってもらいたいけど、できれば最終戦のオーストラリアまで勝負持ち越し、赤い大地で全開ガチンコ大バトル!なんて展開になったら大変嬉しいのだがどうか。まあ、あっさり次戦のコルシカで決まっちゃったりするかもしれないが。
参考URL:
三菱 WRC
SUBARU MOTOR SPORTS
World Rally Championship Official
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