中国人の同僚から教えてもらった、おもろい記事。
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今週末に北京某所にて某国際学会が開かれたのだが、私を雇用する北京の会社も、その協賛という形で参加した。協賛と言うからには当然単なるボランティアというわけはなく、某かの見返りを望むのが、利益追求を旨とする資本主義社会の正しい姿である。ということで今回は、日本から偉い先生を呼び、私を雇用する北京の会社の製品を使った結果を元にした講演をやってもらうことになった。この理論に基づいて作ったうちの製品を使うと、こんなに素晴らしい結果がでますぜ奥さん。上手く使えばガッポガッポ儲かりますがな旦那さん。学会に聴講しに来ているのは奥さんや旦那さんの前に研究者であるわけだが、それはともかく要するに、こういう製品を使えばこんなに良いことがありますよ(だからうちの製品を買ってね)という、講演という名の一種の宣伝というわけである。
偉い先生と随行の奥さんが北京にやって来たのが金曜日。あれこれ打ち合わせやら晩飯を喰いに連れて行ったりやらし、明けて土曜日は学会本番。ちなみに今回は国際学会とは言っても欧米人は少数派で、参加しているほとんどが中国全土からやって来た人たち。一般的に国際学会というと公用語は英語で、その開催国語への通訳は入らないことが多いが、さすがに今回は講演自体は英語でやってもらったものの、中国語の通訳が入る。おそらく参加者のほとんどは英語を理解可能だと思うが、母国語に翻訳してもらった方がわかり易いのは当然だろう。まあ私にとってはどちらも外国語ではあるわけだが。
ちなみに英語の講演と中国語の翻訳を聞いてどちらが理解しやすかったかというと、これがまた、まだ英語の方が聞いてわかる(と言っても完全に理解できたわけではないが)のが情けないところ。文脈はともかく、専門用語を中国語で言われてもまだよくわかりませんがな。この手の話を中国語で理解できるようになるには、まだまだ時間が必要と痛感。当たり前か。
学会が終わった翌日の日曜日は観光デー。偉い先生ご一行は中国に来るのは初めてということなので、万里の長城から明の十三稜、そして故宮と、超定番の観光コースを一回りする。しかしなにせ季節はすでに真夏の北京である。最高気温三十度オーバで、なおかつここ数日降った夕立のおかげで湿度もそこそこあるというプチ蒸し風呂状態。そんな暑さの中を、あちこち歩き回るのはなかなか辛いものがある。しかも万里の長城も明の十三稜も故宮も、どこもすでに何度も行ったことがあって、今さら見ても面白くもなんともない。しかしこれも仕方なし。観光ガイド(兼カバン持ち)も大事な仕事の一つである。
丸一日観光した後、月曜日の昼の便でご一行様はご帰国。いろいろバタバタはあったものの、なんとか無事に全日程終了と相成った。講演も盛況だったし観光も喜んでいただけたご様子で、一応はこちらも任務を全うしたというところか。いやでもまあ、なんだかんだと気を使って疲れましたですよ。
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獣の夢 | |
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「レフトハンド」や「quarter mo@n(クォータームーン)」、「アリス―Alice in the right hemisphere」など、ウィルスやネット社会、脳科学を題材に、独特のアイデアと手法でミステリ・ホラー小説を描いてきた中井拓志の最新作。先日の(と言っても一ヶ月前だが)日本出張の際に読了。
北陸のとある小学校で、些細な事故で亡くなってしまった少年を、クラス中の人間がバラバラに切断、屋上から投下したという、かつて起きた集団死体損傷事件。そのおぞましい事件から 9 年後、その小学校の屋上に再び死体が転がった。警察の捜査にもかかわらず、まったく手がかりがないままマスコミの報道だけが過熱する。捜査に参加した科警研の捜査員は、ネットの暗闇に巣くう「9 年前」の事件を神格化する一団を見つけ出す。彼らと事件との係わりは。そして 9 年前の事件の首謀者として、いまだ施設に収容されている美少女が口にする「獣」とは一体何か。
この小説を読んでまず気になるのは、その文体である。「で、」とか「ていうか」などを多用し、まるでライトノベルズのような軽い文体で凄惨かつ不気味な事件を語る。しかも語り部たる視点が作中登場人物の一人称のようで、しかし俯瞰した三人称視点のようでもあり、一体誰が語っているのか今一つわからない。さらにその語り口が論理的のようでいて、しかしときに支離滅裂になったりする。これは語り部が精神を病んでいるのか、あるいはもしかして読んでいるこちらに狂気が感染してしまったのか。軽口なのに気色悪い。軽いからこそ薄気味悪い。まるでどこかの病院の地下室で、ぶっ飛んだ目をした病人の話を聞いているような心地悪さ。読み進むにつれてどんどん不安な気持ちにさせられる。
ただ、そうして語られる事件も、なんとも焦点が曖昧で最後のカタルシスもない。もっとも、おそらくこれは作者の意図したところであるだろうし、そもそもこの物語の主題は「文脈の取り違え」なので、きっちりとした解決も派手な結末も必要ないのかも。それでもせめて何故 9 年前に子供達がバラバラにした死体を屋上から撒き散らさないといけなかったのか、ぐらいは描いてほしかった気もする。あれって死んだハムスターの葬送だったのか?ということは「花」の代わりってことなの?ううむ、よくわからん。こういう読後のモヤモヤ感も計算のうち、だとしたら凄いけど。
それにしてもこの小説を読んで改めて思うことは、とかくこの世は「獣」に満ちあふれているということである。どこぞの国のサッカー・ワールドカップの狂騒も間違いなく「獣」だよなあ。
投稿情報: 00:37 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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記事jによると、先月 26 日、北京で球電とおぼしき現象によって製材所が全焼するという事故が起きたそうである。伝えられるところによれば、深夜二時頃、北京市朝暘区十八里店村で突然の落雷音と共に現れた”球形の稲妻(球形闪电)”が製材所の中を西から東へと移動し、火災が発生。20 部屋が全焼したという。
現場を取材した記者によると、現場は焦げた臭いが鼻をつき、20 部屋の全ての天井が焼け落ちていた。大きな梁はことごとく焼け落ち、めちゃくちゃになった鉄筋や建材が頃焦げになって床一面に散らばっている。悲惨な状況だ。現場には一人の木工がいて、ぼんやりと瓦礫を撤去する作業を行っていた。彼は言う。
「たった一発の雷で 20 部屋全てが焼け落ちてしまったんだ。昨日の夜中の二時頃、明るく光った火の玉が西から東の方向にフラフラと漂っていると思ったら、用材部屋の東側にやって来たとたん、大きな雷の音がして木材部屋が燃え始めちまった。もし消防車が早く来ていたら、木材部屋はこんな悲惨なことにならずに済んだと思うんだがな」
用材部屋が燃え始めて、彼らはすぐに消防に連絡した。しかし村に入る橋の幅が狭すぎて消防車が通ることが出来ず、やむを得ず遠回りしたために消火時間を遅らせることになってしまった。消防車がようやく現場に到着した時には、出火からすでに一時間あまり経っていたため、建物はすでに燃え尽きたあとだった。木工は最後にこう言った。
「この建物の女性オーナーは、建物が全部焼け落ちたと聞いてぶっ倒れちまったよ」
北京気象観測所の専門家は、「球形の稲妻はきわめて珍しいものです。ゆっくりと移動し、その移動速度はゆっくりで、普通は自然消滅します。しかし時には壁にバウンドして室内を飛び回ることがあるため、そのとき可燃物に触れて火災が発生することがあります。いまだ科学的に説明できるものではありません」とコメントしている。
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球形の稲妻なんてものがあるなんて知らなかったのだが、それがこうして実際に存在し、なおかつ被害を出していることに驚く。出来れば一度見てみたい気がするけれど、フラフラ飛び回った挙げ句にこっちに飛んできたらやだしなあ。
どうでもいいが、球形の稲妻というと、ついドラゴンボールのカメハメ波を想像してしまうのだが、これももしかして誰かが練習していた流れ弾だったり。
投稿情報: 00:59 カテゴリー: 北京での日常 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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ル・マン 24 時間耐久レースと言えばご存じの方も多いと思うが、F1 のモナコ、インディ 500 と並んで世界三大レースの一つとして伝統と格式を誇るこの耐久レースは、サッカーワールドカップの陰に隠れてひっそりと、なんてことは全然無くて、今年も 25 万人以上の大観衆を集めて華やかに行われた。どうでもいいが、どうせなら WRC のモンテカルロも入れて四大レースにしていただきたいと思うわけだが、WRC はレースじゃないですかそうですか。
今年のル・マンでの話題はなんと言ってもアウディであろう。アウディが今年投入した R10TDI は、なんとディーゼルエンジンを積むマシンである。その注目のディーゼルエンジンは、V 型 12 気筒 5500cc で最高出力 650 馬力、最大トルクは 1100Nm、そして実用回転域が 3000~5000rpm であるという。高回転までブン回した先にピークパワーバンドがあるというのがこれまでのレーシングエンジンの常識だったが、さすがディーゼルと言うべきか、この低回転域は正に前代未聞。またディーゼルの特性として強烈なトルクが上げられるが、このエンジンの最大トルクもかなり凄まじい。なんでも開発時はトルクが太すぎて駆動系とタイヤが持たなかったらしい。
また低回転ということは燃費にも有効で、耐久レースではかなり有利である。実際、アウディ R10TDI はすでに今年の 3 月にアメリカで行われた 12 時間耐久レースで、ディーゼルエンジンのマシンとして史上初の優勝を果たしている。下馬評でもル・マンでも優勝する可能性は最も高いと目されていた。
そして先週末に行われた本選で、フランク・ビエラ、エマニュエル・ピロ、マルコ・ヴェルナーの三人のドライバーが操るアウディ R10TDI 8 号車が、トータルで 380 周を走り切り、見事優勝。ル・マン史上初のディーゼルエンジンでの優勝を果たした。その要因は(優勝車ではなく同チームの 7 号車の)マシンがマークした本レースのファステストタイムに象徴される速さもさることながら、ディーゼルエンジンならではの燃費の良さも大きく貢献したようだ。アウディチームは 90 リットルのディーゼル燃料の給油のためのピットインは平均で 14 周に一度で済み、ガソリンエンジンを使用するライバルたちは、それよりも多い頻度でピットストップを繰り返した。ピットワークにかかる時間と頻度がレースの行方を左右する耐久レースにとって、ピットストップは少なければ少ないほど有利。
ちなみにル・マンのコースは一周 13.8km なので、90 リットルで平均 14 周ということは、少なく見積もっても燃費は 2.25km/L ということになる。超高速で全然比較にならないが参考までに F1 マシンの平均燃費は 1.3~1.5km/L だそうで。
ということで、ディーゼルマシンが史上初優勝を遂げた今年のル・マンだったわけである。この優勝を受けて、来年以降はライバル達もディーゼルエンジン化に乗り出す気配は濃厚で、あと数年もするとル・マンに出場するマシンのほとんどがディーゼルマシンということになるのかもしれない。もしかしたら WRC も全車ディーゼルになる、なんて日も遠からず来たりして。
投稿情報: 00:53 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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先週あたりから徐々に気温が上がり、いよいよ夏らしくなってきた北京。なかでもここ数日は北京にしては珍しくスモッグも霞もなく雲一つ無く晴れ上がり、太陽の日差しがまともに降りそそいだおかげで気温も急上昇。ついに本日は北京中心部で今年最高の 38℃ を記録したとのこと。中心部だけではなく北京市全土に渡ってこの暑さだったようで、南部の豊台区大紅門地区では 39.4℃ という恐るべき気温を記録したらしい。
北京では 24 時間以内に市内の最高気温が 37℃ 以上に上がると予測されると「高温オレンジ色警報」なるものが発令されるらしい。もちろん今日はオレンジ警報大発砲、というより真っ赤っかのレッド警報とでも呼ぶべき暑さだったわけだ。ちなみにこの暑さは北京だけではなく中国全土的なものだったようで、中国西北部の陝西省・西安市では最高気温が 42.9℃ まで上昇し、観測史上最高を記録。西南部の重慶市でも 40℃ を超え、高温警報が発令されている。どこもかしこもオレンジ・レッドというわけである。
で、今日は日曜日ということで、その 38℃ の中をフラフラとそぞろ歩いてみたわけだが、なにせ暑い。とにかく暑い。猛烈に暑い。上から嫌と言うほど照りつける強烈な日差しはもちろんのこと、下から横からアスファルトやコンクリートから照り返す輻射熱も相まって、全身こんがり状態。高温側にセットした恒温槽の中に入っているような感じか。いやまあ恒温槽の中に入ったことのある人はあまりいないような気もするが、要するにメチャメチャ暑いのである。死ぬほど暑い。暑いったら暑い。だって 38℃ ですのよ奥さん。体温より高いんですぜ旦那はん。もう勘弁して。
ただ幸いにも今のところは気温の割に湿度があまりないので、まだ助かっている。暑さは強烈なれど動いてもほとんど汗をかかないので、東京の真夏のような不快さは比較的低い。日差しさえ避ければまだなんとか過ごせる記がする。もっとも一見汗はかいていないようでも体の水分はそれなりに搾り取られているのは間違いなく、しばらく歩くと猛烈に喉が渇いてくるし、体も妙にだるくなる。適度に水分補給をしないと脱水症状から熱中症まで、あっという間に転げ落ちていきそうである。まあこの暑さじゃ、下手におもてに出るより冷房の効いた家で本でも読んでるのが吉なんだろうが。
日本は梅雨真っ盛りで大変不快な気候が続いていると聞く。梅雨に飽きた日本の皆さん、乾燥しまくった北京に一度いらしてはいかがか。もれなく灼熱のオレンジ警報が付いてきますけど。
投稿情報: 23:44 カテゴリー: 北京での日常 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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二回続けて Youtube ネタってのも手抜き以外の何ものでもないのだが、久々に感動したビデオなので是非ともご紹介したい。アメリカ西海岸のベテランロックバンド TOTO が、名曲「Goodbye Elenor」をスタジオライヴした時の模様を収めたビデオクリップ。いつ頃収録されたのか詳細は不明だが、恐らくアルバムを発表した直後の 1981 年あたりだろうか。ちなみにこの曲は TOTO の 3rd スタジオアルバム「Turn Back」に収められている。このアルバムを含め、TOTO の初期三枚のアルバムは、中学、高校の頃に聴きまくりましたなあ。
ビデオクリップはリハーサルの模様から始まり、疾走感とキャッチーなメロディが溢れるかの名曲を、ハイテンションで演奏するバンドの模様が収められている。「歌うスーパーマリオ」こと Bobby kimball の、その容姿からは想像できない透き通るような高音ヴォイスや、Steve Lukather のロック魂が炸裂したギタープレイが実に素晴らしい。 しかし Lukather 氏、この頃はまだ二十代前半だと思うが、早くも今に至る体重増加の兆しが見え始めていたのですな。
で、なにより強烈なのが、故 Jeff Porcaro のドラムプレイである。このグルーヴ感、切れ味鋭いシンバルワーク、絶妙なゴーストノートの使い方(特にバスドラ)、緩急強弱のダイナミズム、それでいて絶対正確なリズムはどうか。スタジオアルバム盤でのプレイも良いが、ライブの方がその 100 倍は凄さがわかる。Jeff Porcaro は 1992 年に不慮の事故(と言って良いと思う)で残念ながら亡くなってしまったが、こういうドラムを叩ける人がすでにこの世にいないと思うと、誠に残念至極。こうして改めて私なぞが言うことでは無いけれど、やっぱりこの人スゲエですよ。ビデオを見ている間中、鳥肌立ちっぱなしでした。
投稿情報: 00:47 カテゴリー: CD評 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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日記ネタに詰まったときに重宝する youtube ネタ。先日知人に教えてもらい、懐かしさのあまり爆笑しながら泣いてしまったのがこれ。いやしかし改めて聴くともの凄い歌詞ですな。是非ともお隣の半島両国には、この歌を反日キャンペーンのテーマソングにして欲しいところ。
ちなみにこれを見たあと、連鎖的に「レインボーマン」のオープニング曲が頭の中で鳴り響いて気が狂いそうになったので、もしやこちらもあるかと思い探したのだが、残念ながらアップロードされてない模様。仕方がないので「インドの山奥で~修行して~」と脳内カラオケで歌うことにします。
投稿情報: 00:44 カテゴリー: 雑記 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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爆発的な勢いで自動車が増えている中国。少し前までは高嶺の花だった自家用車も、近年の経済成長による庶民の所得増加や、自動車メーカの熾烈な販売競争による市場価格の下落などによって、最近では普通の勤め人であれば誰でも車が買えるようになった。実際、私を雇用する北京の会社でも従業員の多くが自家用車を持っており、そのほとんどが通勤に使用している。
中国の自動車市場は、少し前までは欧州車(特にシトロエンとフォルクスワーゲン)の独壇場だった。これは市場開放がされた早い時期から中国に進出し、中国国内でいち早く生産、販売を開始したという経緯があるからだが、近年はその座を日本車に譲り渡そうとしている。現在中国ではホンダ、トヨタ、日産、マツダ、三菱、スズキと日本の主要メーカのほとんどが進出しており、燃費の良さ、品質の高さ、その割に手頃な値段が受けて、かなりの勢いでシェアを伸ばしている。実際、私を雇用する会社のローカルスタッフ達も、最近購入した人々の多くが日本車を選択している。
日本車を買った彼らがまず驚くのは、極めて故障が少ないことである。とにかく壊れない。なにせ今まで自分が乗ってきたり人から聞くにつれ、欧州や中国の車は壊れるのが当たり前、また個体差(つまり当たり外れ)があって当たり前。おそらくメーカ側も最初から 100% 完璧な品質なぞ達成できないと、ある種の諦め(というか割り切り)があるのが当たり前。したがってユーザも壊れることを前提に車を購入し、そしてどこかが壊れたらそれを修理しつつ、なんとか完全体として仕上げていくことが当たり前。そういう感覚の目からすると、個体差も初期不良もほとんどなく、乗り続けてもどこも壊れない日本車は驚異的にうつるのだろう。いや同じ日本人として、さらにメーカに勤める技術屋としても、日本車のマスプロダクトとしての品質レベルは見習うところが多々あるわけだが、そもそも「工業製品は壊れるもの」という概念が前提としてある人たちにとって、日本車は非常に優秀に見えるに違いない。
だが極めて優秀な日本車であっても、永久に故障しないということはありえない。また、乗り続ければそれだけ消耗する部品もある。乗れば乗るだけタイヤの溝は減るしブレーキパッドも摩耗する。エンジンオイルやブレーキオイルも劣化する。エンジンのベルトだって交換しなければいつかは切れる。どこにも手を入れないで乗り続けることが出来ることなぞあり得ない。故障する確率は低いとはいえ、メンテナンスは不可欠なのである。
話は変わって、件のエレベータ事故である。きっと今頃日本のマスコミは、鬼の首でも取ったかのようにエレベータ会社を非難する論調で報道しているに違いないが、当の(本国の)エレベータ会社はそんなことを言われても、と困っているのではないか。なにしろ異常があればそれを修理しながら使うのが、彼らにとっては当然のこと。そしてそのためのメンテナンスに(ユーザに)お金をかけてもらうのが当然のことだからである。それはそれでそうなのか、とも思う。車とエレベータで安全のレベルは全く違うが、しかしメンテナンスの必要性はどちらも同じものだ。
しかし事故の起こったマンションでは、メンテナンス会社を毎年のように価格の安い所に変更していたと言う。これでは故障なんて事前に発見出来るはずもない。
痛ましい事故が起きて、そして不幸にも亡くなった人もいる。メーカの責任は追及されてしかるべきである。しかしそれだけで本当にいいのか。定期点検もろくにしていない車を運転して、事故を起こして死者を出してしまった。はたして悪いのは車を作ったメーカだけなのだろうか。日本のマスコミも過去の故障や事故をほじくり返す暇があったら是非ともこういう点にスポットを当てて報道してもらいたいものだが、「正義の味方」という名の弱い物イジメを得意技とするマスコミ様は、そんなことをやっても面白くもなんともないからやらんのだろうなあ。
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日本を離れて異国の地に暮らして、早くももうすぐ一年。苦労することは何かと多いが、それを補って余りあるほどの良かったことは多い。その良かったことの一つに、現在ドイツで開催中のサッカー・ワールドカップの狂騒に巻き込まれないで済むということである。
正直言ってサッカーには全く興味がない。もちろん競技としてのサッカーは好きだし、今や全然やる機会もないが、体育の時間のサッカーは大好きだった。興味がないのは J リーグやら日本代表やらの動向やら行く末である。どこが勝とうが負けようが、そしてワールドカップに出場しようがしまいが、本当にどうでもいい。どうでもいいならどうだっていいわけだが、しかしこれがどうしたってどうにもならないのである。テレビをつければどこもかしこもサッカーサッカー、新聞の見出しもサッカーサッカー、人の話題もサッカーサッカー。見たくも聞きたくもないのに、向こうから勝手に私の生活に土足で入り込んでくる。それが我慢ならない。
四年前の時なぞ正に最低最悪だった。予選敗退でもなんでもいいからとっとと日本が負けて、一日も早くこの狂騒から逃れたい。心の底から思ったものである。私は思う。お願いだから二度と日本でワールドカップなぞやらんでほしい。来年の総選挙で、もし「ワールドカップ日本開催永久禁止」をマニフェストとして掲げる政党があらわれたら、俺は間違いなくそこに投票する。選挙には間違いなく負けるだろうが。
そして今は北京である。日本のテレビは NHKワールドプレミアムしかなく、新聞雑誌の類もない。人口に上がるほど、周りに日本人もいない。せいぜいネットのニュースサイトにサッカー関連の記事が増えるぐらいで、そういう記事は見なければいいだけ。いつも巡回する日記や雑文サイトも、管理人が私と同じメンタリティの持ち主なのか、どこもほとんどサッカーの話題には触れていない。きっと日本は今頃、四年前以上の気が狂わんばかりのクソやかましいことになっていると思うが、それらに全く干渉されることなく静かにいつも通りの生活を送ることが出来るわけである。素晴らしいではないか。いやほんと、心底清々してますよ私は。
ちなみに中国ではサッカーは非常に人気がある。実際に自分でもサッカーをやっている人は多く、街中のグラウンドなどでもサッカーに興じる姿をよく見かける。またヨーロッパのプロリーグのテレビ中継はしょっちゅう放送されているし、新聞のスポーツ面でサッカーの話題が出ない日はない。当然今回のワールドカップもテレビ中継されることになっており、私の会社の同僚のサッカーファンなども「徹夜でテレビを見ますよ!」と息巻いている。それだけ人気がありワールドカップの認知度も高いが、しかしやはり自国が出場していないせいか、今一つ盛り上がりに欠けるような気がする。まあこれで出場していた日には、どこぞの半島の国以上の熱狂になるのかもしれないが。
ということでワールドカップの狂騒から一歩離れ、日本が勝とうが負けようが、私の生活にほとんど影響をもたらすことのない環境で、静かに暮らす僥倖にあずかる私である。まあ人が楽しんでいることに門外漢があれこれ口を出すのは無粋ではあるけれど、でも鬱陶しいから日本がさっさと負けてくれれば、さらに幸せになれる気がする。
投稿情報: 00:20 カテゴリー: 北京での日常 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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